Wedding Exhibition "24 -twenty four-"
2023.9.24
Exhibition
新郎新婦のお披露目パーティーにて、会場であるホテルに併設するギャラリーでコレクションを紹介する一日だけの展覧会のキュレーションを行いました。
夫婦のひとりとふたりの視点が交差するイメージから、テーマを「水」とし、森夕香さんのお軸の作品を中心に据え、時間や物の背景を考えながらアート、陶芸作品、器、本、石、オブジェ、花瓶などを空間に取り合わせていきました。
〈重なるとき〉
Wedding Exhibition「24 -twenty four-」は、24という数字の意味とその変容性を捉えながら、夫婦のありかたを再解釈する展覧会です。
24という数字は、ものごとをひとつの形に導く、特別な役割が内包されています。時間は大きく24に重なることで1日となり、季節という移ろいは1年の中で24に分けて語られてきました。また古代より貴重な物質として人間社会の中心にあった金は、24分率で品位が表されます。
では結婚、あるいは夫婦はどうでしょうか。
夫婦は結婚により、互いの暮らしてきた別々の日常が重なり合います。24という数字でまとまっていたそれぞれの時間や季節はほどけて混じり合い、再構築されます。
一人であり、二人である。
そんな曖昧な夫婦の関係やあり方は、夫婦を構成する特に重要な要素である「物」「人」「時間」という三つの視点で見つめ直し、改めて夫婦とは、あるいはひとりの人間と深く繋がることの意味とはなんなのか、再考できればと考えています。
展示は実際に行われる結婚パーティーと共に限定的に公開され、中心である夫婦、二人の大切にしている物や人と混じり合うことで、9月24日と時間の中でひとつの展覧会へと変容します。参加者の皆様は視点を置き換え、交差させながら、夫婦の姿を通して、自分の大切な人について思いを馳せていただけることを願っています。
桐惇史
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〈「Wedding Exhibition 24-twenty four-」によせて〉
「Wedding exhibition 24」は、親しい方々へ向けた夫婦のお披露目の場として企画される1日だけの展覧会です。
本展は、従来の結婚式の枠にとらわれず、夫婦がひとりの個人であることと同時に、ふたりであることを新たな視点から捉え、日常をめぐる試みです。
ふたりが暮らしの中で大切にしているもの「コレクション」との対話からスタートする本展では、おふたりがこれまでに出会ったアート作品、工芸品、ガラス、石、本、点描画、陶芸作品、写真などが展示されていますが、それぞれの関係性を明確には示していません。
キュレーションのテーマは「水」とし、環境とともにその存在を変容させ、軽やかに人生を歩んで欲しいという願いを込めました。
結婚式は人生の通過儀礼のひとつとして重要な役割を果たし、参列者を招くという点においては同じですが、本展覧会は、一般的な「型」に捉われない親密なコレクションを通し、美術展のはじまりとも言われている
「驚異の部屋=Wunderkammer」の源流とも繋がることでしょう。
本展を通し、大掛かりな仕掛けや華美な演出ではなく、それぞれの「個」から浮かび上がる景色を眺め、
自然と対話が生まれ、おふたりの新たな人生のスタートを祝福する場になれば幸いです。
上田 聖子(MISENOMA インディペンデント・キュレーター)
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会場:KAGAN HOTEL
住所:〒600-8846 京都府京都市下京区朱雀宝蔵町99
〈TEAM〉
Curation: 上田 聖子(MISENOMA)
Music: 武田 真彦
Photo: @matsushimashota
Video: @kyonoyama
Food: @ryoma_izushi
Flower: @sous_bois_kyoto
Drink: @sherry_bar_venga
MC: @monet__22 @__rin0227__
Produce: 桐 惇史
Place: KAGAN HOTEL